地球寒冷化
地球寒冷化とは?
地球寒冷化とは、狭義では地球が冷えていく現象のことを指し、広義では、地球表面及び大気の温度が下がっていき、寒冷化すると言う説の事を言う。また、小氷期の始まりだとする場合もある。ここでいう小氷期とは、氷期(十二万年周期で訪れている気温が現在よりも5度から10度低い時代)でも氷河時代(百万年位前から始まり現在も継続中の、北極南極に極冠がある地球全体が寒い時代)でもなく、数百年ごとに訪れる現在より気温が0.5度ほど低い時代のことである。 当初、この仮説は科学的に強い支持をされたものではなかったが、氷河期の周期性と、1940年代から1970年代の前半にかけての気温の低下の理解を進める上で、良い材料として新聞に報告されたため、人々の関心を一時的に集めた。上記の三十年間にはそれ以前の時代と比べ人工的な二酸化炭素の放出は増えた時代であったが、気温の低下がおこったためである。しかし近年の科学的かつ世界的に広く認められた複数の調査結果により、長期的には寒冷化ではなく、地球温暖化が進行していることが明らかとなっている。またIPCC第4次評価報告書にて評価された全ての気候モデルにおいて、近い将来に寒冷化が始まる可能性が否定されている。
総説
1970年代には、全球平均気温が1945年から下がってきているとの認識があった。21世紀を通じての気候の傾向に関する学術論文の殆どが将来の気温上昇を予測しているなかで、1割が気温の下降を予測していた。世間では二酸化炭素が気候に及ぼす影響を殆ど認識してこなかったが、1959年のScience Newsでは、1850年から2000年の150年間で大気中の二酸化炭素が25%増加し、その結果としての気温上昇を予測している。1968年にはポール・R・エールリッヒが温室効果ガスによる気候の変化について触れている 。地球寒冷化説が大衆紙で扱われた1970年代半ばには、気温の下降は止まりつつあり、気候学者の間では二酸化炭素の温室効果に関心が払われていた。これらの報文を受けて、世界気象機関は「とても顕著な全球規模の温暖化」が起こりうる(probable)とした。現在では、熱塩循環が減少もしくは停止することによる地域的な寒冷化の可能性にもいくらか関心が払われている。これは氷河の融解に伴い、北大西洋に塩分濃度の低い水が大量に流入することによって起きると言われる。これが生じる可能性は非常に低く、IPCCは「熱塩循環が弱まるモデルにおいても、ヨーロッパ全域にわたり気温は上昇する」と報告している。たとえば、放射強制力が増加する全球気候モデル (AOGCM) を総合すると、北西ヨーロッパの温度変化は正となる。